皮膚科医が教えるニキビ治療の正しいステップ

目次（もくじ）

1. ニキビとその原因について理解する

日本人の生活習慣とニキビの関係

ニキビは、思春期だけでなく大人になってからも多くの方が悩む肌トラブルです。特に日本では、ストレスや不規則な生活、食文化の影響などが複雑に絡み合い、さまざまなタイプのニキビが発生しています。まずは、ニキビの種類とその主な原因について知ることが大切です。

ニキビの種類

種類	特徴	発生しやすい部位
白ニキビ（閉鎖面皰）	毛穴に皮脂や角質が詰まり、白く盛り上がった状態	額、頬、顎など
黒ニキビ（開放面皰）	毛穴が開き、皮脂が酸化して黒く見える状態	鼻、小鼻まわり
赤ニキビ（炎症性）	アクネ菌が増殖し、赤く腫れて炎症を起こした状態	顔全体、背中、胸元など

日本の食文化とニキビの発生要因

日本では、伝統的に魚や野菜中心の食生活が一般的でしたが、近年は洋食やファストフードの普及によって油分や糖分の摂取量が増えています。これらは皮脂分泌を活発にし、ニキビを悪化させる要因となることがあります。

よくある原因と具体例

原因	具体例・関連習慣
皮脂分泌の増加	脂っこい食事（唐揚げ・ラーメン）、お菓子の過剰摂取
ホルモンバランスの乱れ	睡眠不足、不規則な生活リズム、受験や仕事のストレス
肌への刺激	メイク落とし不足、マスク着用による蒸れ・摩擦

まとめ：まずは自分の生活習慣を見直そう

ニキビ治療を始める前に、自分の日常生活や食事内容を振り返りましょう。皮膚科医が推奨するケア方法を実践するためにも、自分に合った対策を知ることが大切です。

2. 正しいスキンケア方法

日本の四季と湿度に合わせたスキンケアのポイント

日本は四季がはっきりしており、気温や湿度の変化が肌に大きな影響を与えます。ニキビ治療においても、季節ごとに適切なスキンケアが重要です。ここでは、洗顔、保湿、UVケアの基本的な方法について詳しくご紹介します。

季節別スキンケアのポイント

季節	洗顔	保湿	UVケア
春	花粉や黄砂で肌が敏感になりやすいため、低刺激の洗顔料を選びましょう。	軽めの保湿剤で十分ですが、肌荒れしやすい人はセラミド配合のものがおすすめです。	紫外線量が増える時期なので、SPF値の高い日焼け止めを使い始めましょう。
夏	汗や皮脂が多くなるので朝晩しっかり洗顔。ただしゴシゴシこすらないように注意しましょう。	ジェルタイプなどさっぱりしたテクスチャーで、べたつき防止＆水分補給。	屋外活動が多い場合はウォータープルーフの日焼け止めを選びましょう。
秋	乾燥し始めるため、泡立ちの良いマイルドな洗顔料がおすすめです。	乳液やクリームで水分と油分をバランスよく補給しましょう。	まだ紫外線は強いので、引き続き日焼け止めを使用しましょう。
冬	乾燥が激しくなるため、保湿成分配合の洗顔料で優しく洗いましょう。	高保湿タイプのクリームやバームでしっかり保護してください。	冬でもUVケアは必要です。室内でも窓から紫外線が入るので忘れずに塗りましょう。

正しい洗顔方法

手を清潔にしてから洗顔料をよく泡立てます。
泡で包み込むように優しく洗います。指先で強くこすらないよう注意しましょう。
ぬるま湯（約32℃）でしっかりすすぎ残しがないようにします。
清潔なタオルで押さえるように水分を取ります。

適切な保湿方法

洗顔後すぐに化粧水で水分補給を行います。
乳液やクリームなどでフタをして、水分蒸発を防ぎます。
Tゾーン（額や鼻）は薄めに、Uゾーン（頬やあご）はしっかり保湿するとバランスが取れます。
ニキビ用のノンコメドジェニック製品を選ぶと安心です。

毎日のUVケア習慣

日焼け止めは一年中必要：曇りの日や冬でも紫外線は降り注ぎます。毎朝塗る習慣をつけましょう。
SPF・PA値の確認：普段使いならSPF20～30、PA++程度で十分です。長時間外出する場合は高めの商品を選んでください。
汗や皮脂で落ちた場合は塗り直し：特に夏場や運動後はこまめに塗り直しましょう。
石けんで落とせるタイプも便利：肌への負担が少なくて済みます。

このように、日本の気候や生活スタイルに合わせたスキンケアを心掛けることで、ニキビ予防・改善につながります。自分の肌質と季節ごとの変化を意識して、お手入れ方法を見直してみてください。

3. 皮膚科での治療方法と日本での選択肢

皮膚科を受診する流れ

ニキビがなかなか治らない場合や、自己ケアでは改善が見られない場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。日本の医療制度では、健康保険を使って専門的な治療を受けることができます。初診時には症状やこれまでの経過について医師に詳しく伝えると、より適切な治療につながります。

受診の基本的な流れ

ステップ	内容
1. 受付	保険証を提示し、問診票に記入します。
2. 診察	医師が肌の状態や生活習慣について確認します。
3. 治療方針の説明	治療内容や薬について説明があります。
4. 処方・会計	薬が必要な場合は処方箋が出されます。会計後、薬局で薬を受け取ります。

日本で一般的に行われている治療法

日本の皮膚科では、症状や肌質に合わせてさまざまな治療法が選ばれます。主な治療法は以下の通りです。

主な治療法と特徴

治療法	特徴・ポイント	対象となるニキビ
外用薬（塗り薬）	炎症を抑える・毛穴詰まりを改善する目的で使用される。ディフェリンゲルやベピオゲルなどが有名。	軽度〜中等度のニキビ
内服薬（飲み薬）	抗生物質やビタミン剤、漢方薬など。体内から炎症を抑えたり、ホルモンバランスを整えるものもある。	広範囲・繰り返すニキビ
面ぽう圧出（コメド圧出）	専用器具で詰まった角栓を除去する施術。即効性あり。	黒ニキビ・白ニキビ（面ぽう）
レーザー・光治療（自費診療）	赤みや跡の改善、殺菌効果も期待できる。保険適用外の場合が多い。	重度または跡が気になる場合

処方される主な薬の種類と特徴

薬名（商品名）	主成分・特徴
ディフェリンゲル（アダパレン）	毛穴詰まりを防ぐ。副作用として乾燥や赤みが出ることも。
ベピオゲル（過酸化ベンゾイル）	殺菌作用と角質剥離作用でニキビを改善。

4. 日常生活で気を付けるポイント

ニキビ予防のための生活習慣の見直し

皮膚科医が教える正しいニキビ治療には、日々のセルフケアも大切です。特に日本人のライフスタイルに合わせて、食事、睡眠、ストレス管理など、毎日の行動を少し工夫することで、肌トラブルを防ぐことができます。

食事で気をつけたいポイント

バランスの良い食事は健康な肌作りの基本です。油っぽい食べ物や甘いものの摂りすぎは皮脂分泌を増やし、ニキビができやすくなることがあります。下記の表を参考に、積極的に取り入れたい食品と控えたい食品をチェックしましょう。

積極的に取りたい食品	控えたい食品
野菜（特に緑黄色野菜）果物魚・豆製品発酵食品（納豆・ヨーグルトなど）	揚げ物・ファーストフードチョコレート・お菓子類炭酸飲料・ジュース類

十分な睡眠の重要性

日本人は忙しい日々を送りがちですが、質の良い睡眠を確保することもニキビ対策には欠かせません。夜更かしを避けて、毎日同じ時間に寝起きするよう心がけましょう。

快眠のためのポイント

寝る1時間前からスマホやパソコンを控える
ぬるめのお風呂でリラックスする
カフェイン飲料は夕方以降控える

ストレスとの上手な付き合い方

仕事や学校でストレスを感じることも多いですが、溜め込みすぎるとホルモンバランスが崩れ、肌荒れにつながります。自分に合ったリラックス方法を見つけて、こまめにストレス解消しましょう。

まとめ：毎日の小さな積み重ねが大切

皮膚科医による治療とあわせて、日常生活でこれらのポイントを意識することが、美しい肌への近道です。無理なく続けられる方法で、自分自身のお肌と向き合ってみてください。

5. ニキビ予防と再発防止のためのアドバイス

日常生活でできるニキビ予防のポイント

ニキビを繰り返さないためには、毎日の生活習慣を見直すことがとても大切です。日本ならではの気候や食文化に合わせた予防法を取り入れることで、長期的な肌トラブルの防止につながります。

スキンケアの基本を守ろう

洗顔は朝晩2回、ぬるま湯でやさしく行いましょう。こすりすぎは逆効果になるので注意してください。
保湿は季節や肌質に合ったものを選び、ベタつかない軽めのジェルタイプやローションもおすすめです。
紫外線対策として、日本製の日焼け止め（SPF30前後）を使うと安心です。

日本人の食生活に合わせた食事管理

良い食習慣	控えたい習慣
和食中心（魚・野菜・豆腐など）発酵食品（納豆・味噌など）水分補給（お茶や水）	脂っこい揚げ物お菓子やジュースなど糖分が多いもの夜遅くの食事

ストレスマネジメントも大切

十分な睡眠（7時間以上）を心がけましょう。
日本では温泉や入浴によるリラックスも人気です。ぬるめのお湯でゆっくり過ごすと自律神経が整いやすくなります。
趣味や軽い運動（ウォーキング、ヨガなど）で気分転換しましょう。

まとめ：毎日の小さな工夫が大きな差に

ニキビ予防は特別なことをするよりも、「続けられる習慣」を作ることが大切です。無理なくできる方法から始めてみましょう。