NG成分を見抜く力をつける:肌トラブルを防ぐ成分表示の注意点

NG成分を見抜く力をつける:肌トラブルを防ぐ成分表示の注意点

敏感肌のための成分表示を見る基本ポイント

日本の化粧品には「医薬品医療機器等法(旧薬事法)」に基づき、全成分表示が義務付けられています。敏感肌の方にとって、パッケージ裏や商品説明に書かれた成分リストを正しく読み取ることは、肌トラブルを未然に防ぐための第一歩です。

まず、化粧品の成分表示は配合量の多い順に記載されており、水(アクア)やグリセリンなどベースとなる成分が最初に並びます。敏感肌の方は、特に刺激を感じやすい「アルコール(エタノール)」や「香料」、「防腐剤(パラベン類)」などが上位に記載されていないかチェックしましょう。

また、日本では「指定成分」と呼ばれるアレルギーなど健康被害の恐れがある102種類の成分について、従来は個別表示が義務化されていましたが、現在は全成分表示となっています。そのため、自分の肌に合わない成分や過去にトラブルを起こしたことがある成分名を覚えておくことが重要です。

さらに、「無添加」や「低刺激」といった表現もよく見かけますが、その基準はメーカーによって異なる場合があります。本当に自分の肌を守るためには、キャッチコピーだけで判断せず、必ず成分一覧を確認し、自分なりのNGリストを作る意識が大切です。

2. 要注意!日本でよく見かけるNG成分とは

日本の化粧品には、敏感肌の方が特に注意したい「NG成分」が多く含まれていることがあります。これらの成分は、肌トラブルを引き起こす原因となりやすいため、しっかりと成分表示をチェックする力が必要です。ここでは、特に敏感肌に影響を与えやすい代表的なNG成分を紹介します。

成分名 主な役割 敏感肌へのリスク
アルコール(エタノール) 防腐・清涼感・溶剤 刺激や乾燥を引き起こすことがある
香料 製品の香り付け アレルギーや炎症の原因になる場合あり
防腐剤(パラベン類) 品質保持・菌の繁殖防止 アレルギー反応や刺激を感じる人もいる
着色料(合成色素) 色味調整 肌荒れやかぶれのリスクがある
界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム等) 洗浄力・泡立ち向上 バリア機能低下や乾燥の原因となる場合あり

ポイント:
これらの成分は日本国内で販売されている多くの化粧品に使用されていますが、特に敏感肌の方は、自分の肌質に合わせて避けるべきものを知っておくことが大切です。商品選びでは、必ず成分表示欄(全成分表示)を確認し、不安な成分が含まれていないかチェックしましょう。次の段落では、実際の成分表示からどのようにNG成分を見抜くかについて詳しくご説明します。

成分の表記バリエーションに気をつけよう

3. 成分の表記バリエーションに気をつけよう

化粧品やスキンケア製品の成分表示には、同じ成分であっても複数の呼び方が存在します。例えば、アレルギーや肌荒れの原因となりやすい成分を避けたいと考えていても、その成分が別名やカタカナ表記、略称で記載されている場合、気づかずに手に取ってしまうことも少なくありません。日本の化粧品業界では、国際的な名称(INCI名)・和名・カタカナ名など様々な表記方法が混在しているため、注意が必要です。

代表的な例:別名や略称の落とし穴

たとえば、「パラベン」と一括りにされる防腐剤は、成分表示では「メチルパラベン」「エチルパラベン」など個別に書かれていることがあります。また、「PEG」と略されるポリエチレングリコール類や、「BG」(ブチレングリコール)など、英字の略称だけではどんな成分なのかイメージしにくいものも多いです。

見逃しやすいカタカナ表記

さらに、日本独自のカタカナ表記にも注意が必要です。たとえば「ラウレス硫酸Na」は洗浄力の強い界面活性剤ですが、海外製品では「Sodium Laureth Sulfate」と書かれていることも。どちらも同じ成分ですが、片方しか知らないと見落としてしまう可能性があります。

正しい知識でトラブルを回避するために

肌トラブルを未然に防ぐためには、自分が避けたい成分の“全ての呼び方”を知っておくことが大切です。購入前には必ず成分表示をチェックし、疑問があればメーカーや専門家に問い合わせる習慣を身につけましょう。日々アップデートされる成分情報にも目を向けて、安全なスキンケア選びにつなげてください。

4. 日本製と海外製の成分表示の違い

敏感肌の方がコスメを選ぶ際に特に注意したいのが、日本製と海外製で異なる成分表示や法規制です。ここでは、両者の違いを明確に理解することで、NG成分を見抜く力をつけましょう。

日本製コスメの成分表示

日本国内で販売されている化粧品は、「薬機法(旧:薬事法)」によって全成分表示が義務付けられています。配合量が多い順に表記されることが一般的ですが、防腐剤や香料など一部例外も存在します。さらに、日本語で記載されているため、成分名が比較的わかりやすい点も特徴です。

海外製コスメの成分表示

一方、海外製コスメは「INCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)」という国際的な成分名で表記されています。英語やラテン語など馴染みのない単語が多く、日本人には判別しづらい場合があります。また、国によっては配合量1%未満の成分は順不同で記載可能など、表示ルールにも差があります。

日本製と海外製の主な違いまとめ

項目 日本製コスメ 海外製コスメ
表記言語 日本語 英語・INCI名など
成分表示順序 配合量順(一部例外あり) 配合量順(一部1%未満は順不同可)
法規制 薬機法に基づく厳格な規定 各国独自またはEU/US基準など様々
アレルゲン・NG成分への対応 厚生労働省指定や自主基準による注意喚起あり 国ごとに規制や警告表示が異なる
敏感肌さんへのアドバイス

日本製でも海外製でも、敏感肌の方は必ず全成分リストをチェックしましょう。特に海外製コスメの場合、英語やINCI表記を事前に調べておくことが大切です。また、同じ成分でも国によって表記が異なる場合があるため、疑問に思ったら専門家やメーカーへ問い合わせることをおすすめします。安全性を重視し、自分自身の肌トラブルを未然に防ぐ選択眼を養いましょう。

5. 避けたい成分リストの作り方と活用方法

自分専用「NG成分リスト」を作るステップ

敏感肌やアレルギー体質の方が市販の化粧品やスキンケア商品を選ぶ際、最も大切なのは自分に合わない「NG成分」を明確にすることです。まず、これまで肌トラブルを起こした経験がある場合は、その時使っていた製品の成分表示を確認し、共通して含まれていた成分を書き出しましょう。また、ネットや専門書で敏感肌の人が避けるべき代表的な成分(アルコール類、防腐剤、香料、着色料など)も参考に、自分だけの『避けたい成分リスト』を作成します。

ドラッグストアで役立つ実践的なチェック術

リストが完成したら、ドラッグストアやバラエティショップで化粧品を選ぶ際、必ずパッケージ裏面の成分表示欄と照らし合わせてみましょう。日本では全成分表示が義務付けられているため、一つひとつ丁寧にチェックすることが重要です。スマホで自作リストを撮影しておけば、お店でもサッと確認できて便利です。

注意したいポイント

  • 配合量が多い順に記載されているので、リスト内の成分が最初の方にあれば避けた方が安心。
  • 同じ成分でも名称が異なる場合(例:パラベン→メチルパラベン、プロピルパラベン)もあるので、複数名でチェック。
継続的なアップデートも忘れずに

新しい商品や情報に触れるたび、「この成分は大丈夫」「これは刺激になった」など経験を積み重ねていくことで、自分だけの信頼できるNGリストへと進化させましょう。この習慣があなた自身の肌を守る大きな力となります。

6. 失敗しないコスメ選びのためのQ&A

Q1. 敏感肌でも使えるコスメの見分け方は?

敏感肌向けと書かれていても、必ずしもすべての人に合うとは限りません。成分表を細かくチェックし、「アルコール」「香料」「パラベン」など刺激になりやすいNG成分が含まれていないかを確認しましょう。「無添加」「低刺激」表示だけで安心せず、具体的な成分名まで目を通すことがポイントです。

Q2. 成分表示で見落としがちな注意点は?

日本では配合量の多い順に成分が記載されますが、ごく微量でも強い刺激を感じる場合があります。また、海外製品の場合は成分名が英語やラテン語表記になることもあるので、わからない成分は調べてから購入する習慣をつけましょう。

Q3. 「〇〇フリー」と書かれている商品は本当に安全?

「パラベンフリー」「アルコールフリー」など一部成分が不使用でも、他の刺激物質が入っている可能性があります。全成分表示を必ず確認し、自分の肌に合わないものが含まれていないか判断しましょう。

Q4. よくある失敗例とその対策は?

テスターで手につけただけで顔には合わなかった、友人のおすすめが自分には合わなかったなど、人によって肌反応は異なります。初めて使う場合はパッチテスト(腕の内側などで24時間テスト)を行うことで、トラブルを未然に防げます。

ミニ知識:成分表の読み方

日本では「水」「BG」「グリセリン」など保湿成分が上位に来ることが多いですが、「エタノール」「メントール」「着色料」などの位置にも注目しましょう。少量でも気になる場合は避けるのがおすすめです。

まとめ

敏感肌ユーザーは「なんとなく良さそう」で選ぶよりも、きちんと成分を確認して自分の肌と相談することが大切です。不安な点はブランドのお客様相談室に問い合わせるなど、納得できるまで調べてみましょう。安心してコスメ選びを楽しむためにも、「NG成分を見抜く力」を身につけてください。